谷口 雅隆
所属ジムワタナベ
生年月1994/1
出身兵庫県神戸市
戦績9戦8勝(6KO)1敗

 超激戦区として注目を集めているミニマム級だが、今月最初の注目カードは11月11日(土)の東洋太平洋タイトルマッチ! チャンピオンで11戦全勝中の小浦翼(E&Jカシアス)とランキング1位の谷口将隆(ワタナベ)が激突! DANGAN200回記念大会のメインイベントから目が離せない。念願のタイトル奪取に燃える谷口将隆に話を聞いた。

谷口 雅隆「倒して世界に名乗りを挙げる」

※このインタビュー記事はBOXING MOBILEから独自に許可を頂いて記載させて頂いたものです。

11月11日(土)に後楽園ホールで開催される「DANGAN200」のメインイベントでOPBFミニマム級チャンピオンの小浦翼(E&Jカシアス)に挑戦する同級1位の谷口将隆(23=ワタナベ)。

今年4月にエディオンアリーナ大阪で開催された日本同級王座決定戦に出場。当時同級1位の小西伶弥(23=真正)と対戦した谷口は前半、ポイントをリードして折り返したが、後半相手のボディ攻撃で巻き返され僅差の判定で涙を呑んだ。

それから7ヶ月後、OPBF王者の小浦翼(23=E&Jカシアス)と注目の一戦”ミニマム級サバイバルマッチ”を制し世界を目論む谷口に心境を聞いた。

■4月のタイトルマッチからの半年間。どのような思いで日々を過ごしてきましたか?
小浦正直なところしんどかったですね。ワタナベジムと言えばチャンピオンが十何人といるじゃないですか。僕もその輪に入れるものだと思っていたので…。プロでの敗の大きさを改めて実感しました。再起してからは調子が上向いてきたのですが、その前までは負けるとこんなにもキツいものなのかと。周りからも「勝つやろう」と思われていたので、期待も下げてしまいかなり凹みましたね。
■たしかに落ち込みますよね…
小浦僕が負けた後に京口が世界チャンピオンになり、中山さんも東洋王者に就いた。身近な人がチャンピオンになると嬉しい反面、悔しい気持ちがあります。

※京口紘人(23=IBF世界ミニマム級王者)
※中山佳祐(27=OPBFフライ級王者)

■ベルトを獲るのに足りなかったところは何だと思いますか?
谷口やっぱり勝ちたい気持ちなんでしょうね。小西選手に気持ちで負けたつもりはないですが、競った試合で向こうの手が挙がるということは、相手の方が勝利への気持ちが上だったということでしょう。映像を観ましたが、打ち合いに付き合うのは全然良かったのですが、もっと自分の持ち味であるジャブを出したかった。あの距離でジャブを突いてボクシングをしたら、逆に僕の手が挙がっていたと思うんですよね。あの場面で僕は左、相手は右を当てようとし過ぎたのですが、(小西選手の)ボディブローの見栄えが良かったのだと思います。
■再起後3戦目で決まった小浦選手とのタイトルマッチ。話を聞いた時の気持ちを聞かせてください。
谷口前回のタイトル戦から半年で汚名が返上できるチャンスだと思いました。また強い相手と試合ができるとうれしく思いました。小浦選手に勝てば4月の負けも帳消しにはならないですけど、あれから強くなったんだなと評価される。小浦選手も世界を目指している選手なので、ここを乗り越えて世界戦線に名乗りを挙げたい。
■小浦選手のことは以前から意識していた?
谷口最初はなかったですね。これは自分が勝手に思っていたんですが、今年の最強挑戦者決定戦に勝って来年のチャンピオンカーニバルで小西選手にリベンジしたいと思っていた。ただ、OPBFランキング1位になり、小浦選手が王座決定戦で勝ったのでいずれ戦うんだろうなと。その時くらいから意識し始めました。
■どのような印象ですか?
谷口テクニックがあり、自分と似たようなタイプです。探り合いになると思うので、ペースを握った方がそのまま勝つと思う。ただ、今回は倒せると思うんですよね。自信に裏付けがあります。何が足りなかったか、考えて追い込んでいるので前回のタイトル戦より一回りレベルが上がっているので。
■最近、京口選手とはスパーリングはしていますか?
谷口ちょくちょくですね。京口の次の相手がサウスポーかまだわからないのでマスボクシングを少しやるぐらいです。
■京口選手は世界王者になり先にワタナベジムの寮を出ましたね。
谷口そこが一番悔しいですね(笑)。最近、京口の部屋に行ったのですが、改めて「寮を出たいなぁ」という気持ちになりました。京口の部屋を見て刺激を受けて自分と比べると悔しいという気持ちになりますね。
■記念すべき「DANGAN200」でのメインイベントになります。
谷口ありがたいことです。出場するメンバーもホープだったり、有名な選手がいる中でメインを張れることは光栄です。
■最近、プライベートでハマっていることは?
谷口自転車の漫画にハマっています。それと自転車を買ってサイクリングが趣味になっています。
■では試合に向けて意気込みをお願いします。
谷口4月の試合で初めて負けて、プロの厳しさを知りました。それから半年間、死に物狂いで練習してきたので、11月11日は今度こそベルトを巻きます!
 4月のタイトル戦を経たことで大きなキャリアとなった谷口。インタビュー中に気づいたのだが、肩の筋肉の発達が目をひいた。2度目のベルトへの挑戦となる今回、”心・技・体”、万全の状態に仕上がったと言える。11月11日、谷口はリングの上の忘れ物(ベルト)を獲りに行く!

<取材・構成・写真/やすおかだいご>
<写真/KIKO・ボビー>