※このインタビュー記事はBOXING MOBILEから独自に許可を頂いて記載させて頂いたものです。
- ■1年ぶりのリングが大きなチャンスとなりました。
- 諏訪実は6月に試合を予定していたのですが、相手の怪我で中止になったので1年ぶりとなりました。試合自体が決まる決まらないは個人が希望したからといっても決まるわけでもないし、決まる時はあっさり決まる。そこは気にならないですね。気が付けば1年経ったといった感じですかね。
- ■試合までこれほど長いブランクはありましたか?
- 諏訪ここまで試合間隔が空いたのは初めてです。ただ、怪我をすることなくずっと練習していたし、階級を上げてより体が(スーパーウェルター級に)順応してきたので良い期間だったかなと思います。
- ■階級を上げた理由を教えて下さい。
- 諏訪ウェルター級で防衛に失敗して、もう1回やろうと思った時のモチベーションが返り咲きより2階級制覇の方が大きかった、というだけです。あとはデビューからウェルター級で戦っていたのですが、体が大きくなってきたことあります。ただ、特別体重が(ウェルター級に)落ちないというわけではないです。
- ■昨年は念願のベルトを腰に巻きましたが、3ヶ月後に失ってしまいました。
- 諏訪あっという間でしたからね(笑)。王座決定戦で獲って次は有川選手と戦うのはわかっていたことなのでゆっくりしている時間もなかったですね。ベルトを失って初めて気づくではないですが…、チャンピオンと言われていた期間が短かったので、もう一度味わいたい思いは強いです。
- ■拳を交えるコブラ諏訪選手の印象は?
- 諏訪ここ最近では日本人選手と対戦していないので物差しで測れないのですが、海外で地域タイトルを獲って今のOPBFチャンピオンにも勝っていますよね。ボクシングはまぐれで勝てる競技ではないので、そこは警戒しています。以前、後楽園ホールでの発表会見の時にリング上で並んだ時に身長差があるなと思いました。右利きなので懐に入ってボディを削ってくるだろうなと思います。僕がこれまで対戦した相手はほとんどがそうですから。
- ■相性的に苦手ではないのでは?
- 諏訪前回戦った佐々木選手はミドル級から下げてきた選手でパワーがあったので、それを考えるとパワーの面では特別気になるというのはないですし不得手ではないですね。
※佐々木左之介(ワタナベ=元日本ミドル級王者)
- ■今の距離を取るスタイルはボクシングを始めた時からですか?
- 諏訪いや~、今のスタイルに自信を持てるようになったのは、ここ最近ですよ。背が高いサウスポーで足を使われたら嫌じゃないですか。でも、高校からボクシングをしているのですが、最初は足を使うと言ってもリングをグルグル回るだけで疲れてしまい押し込まれて終わりだった。自分の展開を作るために足を有効に使えるようになったのは最近じゃないですかね。
- ■試合の前日にはターゲットにしている井上岳志選手がOPBF、WBOアジア・パシフィックのベルトに挑戦。勝てば3冠王になります。
- 諏訪チャンピオンのラーチャシーはコブラ選手と戦ったし、気にならないと言ったら嘘になりますが、次の日に試合を控えているので見に行くわけではないですし自分のことに集中するだけです。勝たないことには次がないですから。
※井上岳志(ワールドスポーツ=日本同級王者)
※ラーチャシー・シットサイトーン(タイ=OPBF同級王者)
※11月10日、ラーチャシーの持つOPBF王座に挑戦する井上だが、この試合は空位となっているWBOアジアパシフィック・同級王座決定戦も懸けられている。
- ■現在31歳ですが、何歳までボクシングを続けたいという思いがありますか?
- 諏訪15歳からボクシングを始めて今年で16年間やっていて、確実に折り返しているわけじゃないですか。ここから15年やったとして45歳でそんなのは絶対にありえない。そう考えると昔より(先のことを)少しは考えるようになりましたね。ただ、防衛ができなかった時に考えたんですが、モチベーションとしてあるのは”チャンピオンに勝ってベルトを巻きたい”。「新藤はやっぱり強い」と思われたいという気持ちです。ベルトを獲った時の景色を見てまた目標が定まると思う。だから正直なところ何歳までというのは深くは考えていないですね。ボクシングは一戦にかかるエネルギーが重いじゃないですか。1年間に多くても3回くらいしか戦えない。1敗がすごく重いですよね。だから先のことを考えすぎて足元を救われないように一戦一戦を大切に戦って勝っていきたいです。
- ■最後に試合への意気込みをお願いします。
- 諏訪そうですね…。ここで苦戦していたら井上選手には勝てないと思います。だから絶対に新藤が勝ったなという試合をします。理想は自分の展開を作って後半ストップです。
2階級制覇という新たな目標に向かって走り出した新藤。距離を取り左ストレートで突き放すスタイルは円熟期を迎えたといえる。両者ともタイトル挑戦権への思いは強い。接近戦を狙う諏訪に対し、新藤は捌き切ることができるのか?序盤にペースを握った方が一気に勝利へ近づくと予想する。
<取材・構成・写真/やすおかだいご>
<試合写真/ボビー>