※このインタビュー記事はBOXING MOBILEから独自に許可を頂いて記載させて頂いたものです。
今年7月、サウスポーのジェイセバー・アブシード(比)を4回KOで撃破し、空位のOPBFミニマム級王座を獲得した小浦翼(23=E&Jカシアス)。11日に後楽園ホールで同級1位の谷口将隆(23=ワタナベ)を迎えて初防戦に臨む。
相手の谷口は、アマ74戦のキャリアを引っ提げプロに転向すると、無敗のまま4月に日本同級王座決定戦に出場。小西伶弥(23=真正)と真っ向から打ち合い互角の展開を作ったが、小西のボディ攻撃にポイントを失い、僅差の判定で涙を飲んだ。その後、再起した谷口は2連勝で再びタイトル挑戦のチャンスを得た。
迎え撃つ小浦は、アマで目立った実績は残していないものの、デビュー当時から関係者の間で実力が知れ渡ると順調に勝ち星を積み重ね、2015年全日本新人王を獲得。11連勝でベルトを手にして世界を狙える位置まで上り詰めた。現在、日本に2人の世界王者が君臨しているミニマム級。サバイバルマッチを控えた小浦に話を聞いた。
- ■7月にチャンピオンに就いてから、どのような変化がありましたか?
- 小浦周りは多少は変わりましたね。自分としては、東洋王座くらいは獲らないとまずいなと思っていたし、最終的に目指すところは世界なので変わりはないです。ただ、今回の試合は自分にとって大きいです。ここをクリアしたら防衛戦にしろ、日本王者との統一戦にしろ、もっと大きなチャンスが来ると思っています。
- ■新人王のタイトルを獲得してから約2年でOPBF王者になりました。2015年の全日本新人王では小浦選手が一番早くチャンピオンになりました。
- 小浦この年の新人王は良い選手が結構出ているんですよ。高校の先輩の武田さん、ユーリ阿久井さん、今年タイトルマッチに挑戦した長濱選手も同期です。武田先輩が勝ってユースタイトルを獲った試合を見に行ったのですがうれしかったですね。
※武田航(角海老宝石=日本ユース・バンタム級王者)
※ユーリ阿久井政吾(倉敷守安=日本ライトフライ級7位)
※長濱陸(白井・具志堅=日本スーパーウェルター級4位)
- ■対戦相手の谷口選手の印象を聞かせてください。
- 小浦う~ん、上手いボクシングをするとは思いますね。ただ、癖はない感じです。発表会見の時にリング上で並んだ時も身長は同じくらいか自分の方が少し大きいなと感じました。気持ちの強さとスピードは、自分の方が上回っていると思います。
- ■谷口選手はサウスポーですが苦手意識はないですか?
- 小浦サウスポーとの対戦は、全日本新人王決定戦と前回のOPBF王座決定戦の2回です。サウスポーに慣れてきたので苦手ではないですね。でも、軽量級のサウスポーのスパーリングパートナーを探すのが大変でした。強いサウスポーの選手はワタナベジムにたくさんいるので(笑)。
- ■4月にインタビューした時は谷口選手とは早かれ遅かれいずれ戦うと言っていました。
- 小浦自分が挑戦する立場でも戦うと思っていたし、今回は自分が先にチャンピオンになったというだけです。むしろ強い相手と戦うことができてうれしいぐらいです。
- ■日本人との対戦は全日本新人王決定戦以来となります。
- 小浦やっぱり日本人との試合の方がいいですね。盛り上がった雰囲気で試合を迎えるのは心地良い。ワクワクというかドキドキというか、いろんな感情が入り混じっています。やる気がみなぎっていますしスイッチも入りますよ!変態なのかもしれないですね(笑)。試合が楽しみで仕方がないですね!
- ■ここ最近は5試合連続KO中です。KOにこだわりはあるのですか?
- 小浦一応です。KOすると盛り上がるので倒したいですが、特に(こだわりは)ないですね。
- ■ただ、ここまで最長で5ラウンドまでしか戦っていないのが気になります。
- 小浦スタミナは問題ないです。判定決着になる可能性が高いですが、向こうの方が後半にかけて(スタミナが)落ちてくると思います。中盤から後半にかけてが勝負の鍵ではないでしょうか。チャンピオンというより挑戦者の気持ちの方が強いのでプレッシャーは感じていないです。
- ■記念すべき200回目となるDANGANでのメインイベント。当日はどのような試合を見せたいですか?
- 小浦お客さんを盛り上げる、ボクシングの魅力が伝わるような試合をしたいです。
- ■では最後に試合への意気込みをお願いします。
- 小浦試合を楽しむのもそうだし、必ず勝って世界に繋げたいと思います。
かねてから熱望していた日本人との対決を前に気持ちの高ぶりを見せた小浦。左右ともに切れ鋭いパンチをミットめがけて打ち込んでいた。谷口との戦力は互角。試合は最後まで縺れることが予想される。今年の国内年間最高試合にノミネートされるであろう好カードを会場で、そしてボクモバPPVで”リアルタイム”で観戦することをおススメしたい。
<取材・構成・写真/やすおかだいご>
<試合写真/KIKO・ボビー>