いよいよ明日は【DANGAN179】です!

いよいよ明日、2017年4月10日(月)は後楽園ホール【DANGAN179】です!恒例の日ノ本氏の熱い見どころを読んでテンション全開にて皆様のお越しをお待ちしています!(当日券ございます)

【DANGAN179みどころ】

 「サヨナラダケガ人生ダ」。于武陵の漢詩を井伏鱒二はこう訳した。4回戦であれ,世界王者であれ,ボクサーの栄光や挫折の瞬間を目撃する度,この一節が私の脳裏を駆け抜ける。いつかは終わりがくる。いつかは別れがくる。かくも儚きボクサー人生に自らの生き様を重ね合わせる。逃れられぬ運命ならば、嘆くよりもせめて前を向こう。苦は楽しみの種,楽は苦の種として巡り巡りゆく。ボクシングは文学作品と同じく,観る者の人生を砥石のように磨いてくれる。観る者の内なる魂に共鳴するかのように。

 本日のメインイベントに出場するのは,元日本Sフェザー級王者,内藤律樹[25歳/E&Jカシアス]。内藤は高校3冠の実績を引っ提げB級デビュー後,無傷の9連勝で日本王座獲得。その後も現OPBF・Sフェザー級王者,伊藤雅雪[26歳/伴流],元日本ライト級王者,荒川仁人[35歳/ワタナベ]ら国内屈指のテクニシャンを下すなどデビュー以来13連勝。世界ランキングも手にし,世界挑戦を射程圏内に。

 しかし世界挑戦には誰もが国内最強と認める存在であらねばならない。そこで内藤が選んだ相手はランキング1位,KO率82%を誇る『剛拳』尾川堅一[29歳/帝拳]。内藤が技術の差を見せつけ捌き切るとの予想が多かったこの一戦は1回,内藤がまさかのダウンを奪われる衝撃のスタート。その後,内藤がペースを取り戻しつつあった5回,偶然のバッティングで負傷判定へ。両者納得し難い結末は,内藤の初黒星と尾川の初戴冠という形で幕を閉じた。しかし尾川とて国内最強,世界王座を狙う猛者。すぐさま再戦を切望。

 1年後,完全決着の場が訪れる。尾川は更なる圧力に加え,やや前めで固めた堅固なガードを身につけ,内藤は隔靴掻痒。ミドルレンジからの右で尾川のガードをノックし,距離を計るも左のハードヒットには繋がらず。接近すればクリンチにて流れは分断。振り分けが難しいラウンドが続く中終了のゴング。自らの特徴を活かしたディフェンス重視のスタイルへと原点回帰を試みた内藤であったが,小差判定で王座返り咲きはならず。内藤の心は一敗地に塗れた。あの日から今日までの4ヶ月間、逃れられない屈辱といかに向き合ってきたのか。この2度の敗戦から何を手に入れたのか。内藤律樹の真のボクサー人生が今始まろうとしている。

 対するは日本Sフェザー級8位,中川祐輔[32歳/市野]。4回戦時代は勝ち負けを繰り返していたが,6回戦に上がると才能が開花。初の8回戦で元日本王者で日本Sフェザー級3位の梅津宏治[引退/ワタナベ]から金星を上げランクイン。直近,元日本王者の金子大樹[28歳/横浜光],OPBF・日本ランカーのアクセル住吉[31歳/関門]と2連敗中ではあるが,「強い選手と戦わなければボクシングをやる意味がない」と,ハードマッチメイクを戦い続けてきたハートは侮れない。三重からの刺客は尽きせぬ闘志でアップセットを狙う。

 サヨナラダケガ人生ダ。

 リングは戦場,拳は弾丸。今宵も両の拳を弾丸の如く錬磨し,己の生き様を謳い戦う拳闘家たちの熱きドラマを心ゆくまでご堪能ください。

日ノ本一(ひのもとはじめ)

2017年4月10日(月)後楽園ホール 17:50~予定

・ライト級8回戦
日本Sフェザー級5位/OPBFライト級12位・内藤律樹(E&Jカシアス)vs 日本Sフェザー級8位・中川祐輔(市野)

・スーパーバンタム級8回戦
OPBF同級13位・ジュニー・サロガオール(比)vs 日本バンタム級12位・勅使河原弘晶(輪島功一S)

・スーパーフライ級8回戦
トンクラー・イサーントラクター(タイ)vs 日本Sフライ級3位・木村隼人(ワタナベ)

・フェザー級8回戦
山口卓也(JBスポーツ)vs 河野洋佑(新日本木村)

・フェザー級6回戦
坂井祥吾(久米川木内)vs 渡部哲也(青木)※

・フェザー級6回戦
中川公弘(ヨネクラ)vs 中川兼玄(三迫)

・スーパーバンタム級4回戦
柳沼直道(EBISU K’s BOX)vs 荒川拓朗(ジャパンスポーツ)

・ミニマム級4回戦
柿島和規(川崎新田)vs 岡田信之介(スターロード)
※はデビュー戦